48物語番外編
前回のあらすじ。
月森は足立さんのお見合いの結果「僕、結婚しますwww(嘘)」
にショックを受けてぽっくり逝ってしまった。
補足・・・・「結婚します」は月森にとってムドオンと同等の威力があります。
「ちょ、ま、まじでいきしてないよどうしようまじどうしよう!おい、月森君!!!起きろって!
だ、だめだ・・・!えええええええーと、ここここここここういうときはまず落ち着いて・・・!」
>足立は深呼吸した。
「よし。少し落ち着いた・・・。
それで、どどどどどどどどどどどどどどどどどどうしようーーーーーーーーーー!うわーーーーーーーーーー!!!!!」
そのころ、月森は
「あの・・・・、すいません。ここはどこでしょうか・・・?」
「おや、お客人久しぶりですなぁ」
「お久しぶりね」
「久しぶりって・・・すみません、あなた達のこと記憶にないのですがどちら様でしょうか・・・?」
「あら忘れてしまったの?実の両親こと・・・」
「えええ!!!」
「お母さん悲しいわ・・・」
「すすすすすすすみません。あの、本当に俺の両親て、え、そんなあばばばばば」」
「・・・マーガレットいい加減になさい。お客人、私達が両親だなんてマーガレットの嘘でございますよ。」
「よかったぁ・・・。俺も将来あなたみたいな鼻になるかと思ったら、人生に絶望するとこでした・・・!
もう、マーガレットさん酷いですよ!嘘突くなんて」
「おほほほほ」
「・・・・・・・・・」
「えーと、それで本当はここはどこであなた達は誰なんですか?」
「主、お客人にご説明を」
「・・・・なんだかいろいろ納得できませんが、どうやらお客人は前回のことをお忘れの様子。
私から話せる範囲でご説明いたしましょう・・・」
そのころ足立は・・・
「訓練以外で心肺蘇生をやる日がこようとは・・・。ともかくAEDの音声ガイダンスに従ってやれば大丈夫だ。問題ない。
・・・はずだ」
「まずは人口呼吸だよね・・・。顎を持ちあげ、鼻をつまんで気道確保。そんで・・・・」
(口をおおって、1秒かけて息を吹き込む・・・・・・・・・・間を開けてもう一度)
「・・・・しまった、うっかり舌をいれてしまった・・・・」
そのころ月森は
「つ、つまり俺は同じ時間を2度繰り返しているんですか!?それで、前回ではこの・・・ペルソナを使ってこの町で
起きていた殺人事件を解決していったって・・・そんな俺全然覚えて・・・ないわけじゃないかも。
・・・少し身に覚えがあります。人や場所について以前体験したことがフラッシュバックすることがあります・・・」
「強制的に記憶を封印されているのでしょうが、少しづつ思いだしているのでしょうな」
「そんな記憶を封印だなんて・・・一体誰が何のために・・・」
「それは私どもにはわかりません」
「これを見てはどうかしら」
「これは・・・?」
「ペルソナ全書よ。前回集めたペルソナが登録してあるわ。このペルソナはあなた自身でもあるから、
何か思いだすきっかけになるかもしれないわね」
「・・・なんだか初っ端から小さい羽の生えた女の子が出てきたんですけど・・・俺ってそっちの趣味が・・・?」
「ペルソナはあなたの中の人格が具現化してるものもありますが、それがそのままあなたの性癖を表しているわけではございませんよ」
「そうなんですか・・・。よかった。金髪幼女のペルソナもいるから、前回の俺はそっちの趣味なのかと思っちゃいましたよ。
しかし、いろいろいますねー。人型っぽいのや、謎の生物っぽいのまで・・・げ!こ、これは」
「○○○ね」
「うわ、やっぱり!ってマーガレットさん、女性がそのままずばりの名称を言わないでくださいよ!」
「あら、ごめんなさい」
「どうですかなお客人、何か思いだされましたかな?」
「いや、全然・・・。
あ!これ、これ見覚えがあります!」
「イザナギですな。あなたが初めて手に入れたペルソナでございますよ」
「確かこれと色違いの奴もいませんでしたっけ。赤と黒を基調にした奴で・・・」
「・・・おりましたが、それはあなたのペルソナではございません」
「あ、そうそう。確かあれは足立さんのペルソナだったはず」
「足立さんの・・・?なんで足立さんがペルソナを?」
「・・・・・・・・・・・」
「確か、俺以外でペルソナを使えたのは俺と一緒に戦った友人たちだけなんですよね・・・?」
「そのほかに事件に関わりのある人物が三人ほどおり、その者たちもペルソナを使うことができます」
「その三人って・・・」
「事件を模倣した者、殺人事件から救えると勘違いしてテレビに人を放り込んだ者、
そして事件の真犯人。この者たちもペルソナ使い、あなた方と戦った」
「足立さんも事件に関わりがあったっていうんですか!・・・足立さんと戦ったかもしれないって?
真犯人じゃないですよね?あの人が人殺しなんてそんな・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「俺に銃口向けてきたなんて、そんな・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「俺たちの、俺のこと本気で殺そうとしてペルソナを使ってきたなんて、そんな・・・そんな・・・」
「思い出されましたかな?」
「違う!こんなの俺の思い出じゃない!
こんなの嘘ですよ!この変な世界も!あなた達も俺が見てる夢だ!
・・・そ、そうですよ。こんな現実味のない話信じたのがそもそもの間違いだ。夢に決まってる。
だってだって・・・足立さんが・・・足立さんが人殺しのはずない!」
「人は見たいものを見て、信じたいものを信じる。あなたがそう信じているならそれでかまわないのですよ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「でも、本当はそう思っていないからこの部屋に来たのではないのかしら。・・・本当は自分でも気づいてるのでは?
日常の違和感や彼に対する不信感。
真実が知りたくて来たのではなくて?この部屋に」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「さて、そろそろ時間のようですな。・・・ご友人があなたを呼んでおります」
「え・・・!」
「もう、二度と会うことはございませんでしょう・・・。ごきげんようお客人」
「さようなら」
「ま、まって!本当に・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「足立さん・・・泣いてるの・・・?」
「僕、君が・・・死んだのかと・・・」
「死んでませんよ・・・」
「よかった・・・君が生きてて・・・本当に・・・本当によかった」
(俺が生きてることをこんなに喜んでくれる・・・)
「もう、びっくりしたんだから・・・いきなり、意識なくなって息もしてなくて僕、どうしたらいいか・・・!」
(俺のこと本気で心配してくれてる)
「訓練以外で心肺蘇生するなんて初めてで・・・でも、よかった。君が息を吹き返してくれて」
(俺のことを助けてくれた)
「君が生きててくれて・・・こんなに嬉しいことはない・・・」
(この人が殺人犯のはず、ない)
「しばらく、こうさせてもらっていいかな」
(なのになんで)
「ごめん、まだ動揺してて・・・恥ずかしい話、体の震えが止まらないんだ」
(この手を離して欲しいって思うのは)
「足立さん・・・苦しいです」
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