其の30 帆かけ茶臼
「ちょっとぉ!せっかく女装してんのにパンツは男物っていうのはどうかと思うんだけど!」
「いや、だってあの・・・さすに女物は無理です・・・」
「あのさー、無理っていったらなんだって無理になるの。君のありあまる勇気を今使わないでいつ使うっていうの」
「で、でも俺、女物の下着は持ってませんし・・・!」
「任せろ。もう用意してある」
「ど、どこに?」
「ここに。僕のポケットに。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「では早速だが穿いてくれたまえ。なに、自分で穿くのは恥ずかしい?
しょーがないなぁ!穿かせてあげるよ、僕が!」
「・・・お断りいたします」
「そんなこと言わないでください。お願いだから穿いてください。本当にお願いします。このパンツ買うのどれだけ苦労したかわかりますか。
沖名のさらにさきの街まで行ったんですよ。これ買うために。
店員さんと女性客の冷たい眼差しに耐えながら1時間かけてこのパンツを選んだんです。もう二度と、あの街に僕行けませんよ。
それでも君がこのパンツ穿いてくれると思ったからこそ、僕頑張れたんです。
だからマジでお願いします。穿いてください!」
「足立さん・・・」
「月森君・・・」
「気持ち悪い」
「ですよねー・・・」
足立さんが号泣している。どうしようか
しょうがないから穿いてあげる
面倒なんでほっとく
>自分で穿け
次回、足立さんのお見合い結果発表
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