48の其の23 仏壇返し
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「あ、あのう。この間のことなんだけど・・・」
「・・・なんですか」
「あ、いやあのあれ」
「つきあってるってやつですか」
「そそそそそそそれのことなんですが」
「足立さん、俺・・・」
「じょ、冗談だから!」
「・・・・・・・」
「本気で言ったわけじゃないよっ!
い、いやー、ちょーっと君をからかってやろうと思って言っただけだからねっ。
それなのに君ってば、本気に取るんだもん!ないないありえないよー僕ら男同士だし!ねー?」
「・・・べつにどうでもいいです」
「へっ?」
「俺付き合ってる人いますから」
「あ、そうなの。
や、やっぱりねー!君モテそうだし、お付き合いしてる人の一人や二人いてもおかしくなさそうだもん!」
「一人しかいませんよ」
「あははははは。そうだよね!
・・・で、ソイツのことそんなにいいの」
「はい」
「・・・そう」
「はい」
「・・・そっかー」
「はい」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「お、おしあわせに・・・」
「どうも」
以下、主人公の本音
48の其の23の2 仏壇返し(?)
(まず、先に断っておくけど、俺は、足立さんが)
(好きです。すっごく)
(もちろん、恋愛感情的な意味で。なので、できることなら)
(彼と恋人同士になって)
(今以上にいちゃこらしたいのですマル!)
(と、なるには問題が・・・)
(足立さんと俺が同性同士ということや年齢の差なんかもあるけど)
(それ以上に俺に問題があって・・・)
(どうしてか俺は)
(足立さんのことが信用できないのでしたマル・・・)
(思えば)
(初めて出会った時から、なぜかこの人には嫌な印象しかなかった)
(人当たりのいい気さくそうな振る舞いも胡散臭くてしかたなかった)
(また欺かれるのではと思うと、好意的に接してくれても信用できなかった)
(・・・またってなんだ。俺と足立さんて前に会ったことなんてあったけ?)
(ないはず。だと思う・・・たぶん。もしや前世で何か・・・?)
(てな感じで、俺はずーと悩んでたわけですよ)
(告白したい!だが相手は×××だったわけで・・・ん?なんだ×××って・・・)
(とかまあ、俺が告白しようとすると、必ず俺の中の何かが、)
(彼だけは駄目だ!アイツは・・・と)
(言ってくるわけですよ)
(そんな感じでいろいろ思い悩んでましたら、その問題の足立ナントカさんが)
(僕らは付き合ってるんだ!とか豪語してきたわけ)
(いやいやいやいやいやありえないよ!俺こんなに悩んでるのに)
(俺の苦悩を一瞬で砕くなんて)
(やっぱりありえませんよ足立さん!)
(でも)
(これをきっかけに)
(俺と足立さんはめでたく結ばれ、二人は末永く幸せにすごしましたとさ。めでたしめでたし。)
(とかなればなぁ!・・・案外付き合っちゃえば俺のこの不安も解消できるかもしれないし)
(お、なんか開き直ったら言えそうな気がしてきたぞ)
(足立「この間のことなんだけど・・・僕ってば先走ってとんでもないこと言っちゃたね」)
(俺「いいですよ・・・本当のことだし」)
(足立「!!い、いいの?」)
(俺「はい。・・・ふつつか者ですがよろしくお願いします」)
(足立「じゃあ今日からは着衣なし48手だね」)
(俺「え、足立さん、それは、あ、だ、だめです、そんな・・・あ!・・・以下省略)
(よし、シミュレーションは完璧だ)
(いざ、出陣!・・・とそのまえにシミュレーション通りにいった場合を考えて)
このまま行く
>身を清めてから行く
___________________________________
「・・・・・・・・」(うーん。なんだか気まずい雰囲気だ・・・)
「・・・・・・・・」(俺から言い出だすべきか・・・いやしかし)
「あ、あのう。この間のことなんだけど・・・」(き、きた!よ、よーし落ち着け!シミュレーション通りにいくんだ、俺!)
「・・・なんですか」(うわ、緊張で変な汗でてきた)
「あ、いやあのあれ」(テンパり過ぎだよ足立さん。声が上ずってる)
「つきあってるってやつですか」(しかたない。助け船を・・・)
「そそそそそそそれのことなんですが」(よよよよよよよよーし言うぞ!)
「足立さん、俺・・・」(俺もあなたのことが、す、)
「じょ、冗談だから!」(え?)
「・・・・・・・」(え?なに?マジで?え、ちょ、じょーだん?)
「本気で言ったわけじゃないよっ!(また)
い、いやー、ちょーっと君をからかってやろうと思って言っただけだからねっ。(騙された)
それなのに君ってば、本気に取るんだもん!(当たり前だろ。好きなんだから)ないないありえないよー(ありえないのか)僕ら男同士だし!(知ってる)ねー?」(ねー?じゃねーよ)
「・・・べつにどうでもいいです」(・・・もう、いいですよ)
「へっ?」(やっぱりあなたのこと、信用すべきじゃなかったんだ)
「俺付き合ってる人いますから」(脳内足立さんとだけど)
「あ、そうなの。
や、やっぱりねー!君モテそうだし、お付き合いしてる人の一人や二人いてもおかしくなさそうだもん!」(あーまずい)
「一人しかいませんよ」(なんだか泣きそう・・・)
「あははははは。そうだよね!
・・・で、ソイツのことそんなにいいの」(いいですよ。脳内足立さんは優しいしエロいし)
「はい」(嘘ついたりしないし)
「・・・そう」(・・・・・・・)
「はい」(いや)
「・・・そっかー」(本当はよくないです)
「はい」(やっぱり本物の足立さんのほうがいいに決まってるじゃないですか!)
「・・・・・・・・・・」(ねぇ、足立さん本当は俺のこと好いてくれてるんじゃないんですか?俺がありえねーなんていったから
怖気づいちゃって冗談なんて言っちゃたんじゃないんですか?俺がもし足立さんのこと好きっていったら)
「・・・・・・・・・・」(・・・言ってもいいのか?この人は俺たちを危険な目に合わせた×××だぞ!笑顔で人のこと
欺いて、二人も×××して、菜々子まで・・・・・・ああ、まただ。なんなんだ。どうしたんだ俺。なんなんだよ一体)
(・・・ねえ足立さん)
「お、おしあわせに・・・」(俺はただ)
「どうも」(あなたと幸せになりたいだけなんですよ)
お二人が幸せになるにはまだ早いようです。
主人公は中途半端にある記憶のせいで、足立さんに対して必要以上に疑り深くなっているようです。
まぁ、足立さんの日ごろの行いが悪かったのだから仕方ないといえばそうなんですがね・・・。
ちなみに、主人公が泣くの堪えてる時、足立さんは号泣してました。
こら、足立さん!
少し暗い流れになりましたが、次からは普通に戻ると思います。
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