其の22 宝船
「なんで友達と遊んでるときに邪魔してくるんですか!」
「恋人が別の奴といちゃいちゃしてれば誰だって邪魔したくなるに決まってんだろ!」
「え!、・・・あ、足立さん天城と付き合ってるの」
「んなわけあるか!」
「じ、じゃあ、里中?直斗?りせ?」
「どれも違うわ!君だよ!君!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「お、俺と足立さんて恋人同士だったんですか?」
「うん」
「・・・え?」
「うん?」
「ええええええええ!ありえねーーーーー!」
思い込み激しいにもほどがあるよ足立さん。
しかし足立さんにも言い分があるんです。
というわけで、↓に足立さんのいいわけ
48の足立の言い訳
足立 「あのさー猫君。よかったら僕の話相手になってくんないかな」
猫君 「にゃー・・・」
足立 「そんな嫌そうな顔しないでよー。・・・・・・・・煮干し一袋」
猫君 「にゃにゃ!」
足立 「どーも。・・・なんかさ、僕ふられちゃったらしいんだよね」
猫君 「にゃ」
足立 「おっかしーなぁ。絶対あの子、僕に気があると思ったのになぁ!
だってあれだよ。着衣とはいえ、男同士で48手なんてやるような仲だよ?
相手のこと好意的に思ってなきゃできないでしょ?」
猫君 「んにゃ」
足立 「・・・まあ、僕だって最初はあの子に興味なんてなかったさ。
二つ巴で彼の股間に顔突っ込んだ時はありえねーって思ったよ」
猫君 「にゃーにゃー」
足立 「でも、一度耐性がつくとどんな体位でも抵抗がなくなってさ。
立ち花菱でなんか彼の股枕で熟睡しちゃったしね。
むしろ彼と密着してない方が落ち着かなくなったりして。んで気づいたんだよ」
猫君 「?」
足立 「彼とこうやって触れ合うのが好きだなーって。」
猫君 「ふにゃ」
足立 「でもそうやって盛り上がってたのは僕だけだったっていうのが・・・」
猫君 「にゃー・・・」
足立 「あ、あの子も思わせぶりな態度取るのが悪いと思うんだよね!
時雨茶臼では普段見せない弱みを僕だけに見せたりとかさ。
・・・ここだけの話なんだけどね、彼の泣き顔めちゃくちゃ可愛いかった」
猫君 「・・・ふあ〜(あくび)」
足立 「こら。ちゃんと聞きなさいよ。
・・・勘違いしちゃったんだよなぁ、僕。お付き合いしてくださーいなんて言わなくとも
お互い通じ合っててさ。それでいつの間にか「二人は恋人同士だったのです!」とか。
大人ならそうゆうこともあるわけじゃない」
猫君 「にゃふー」
足立 「はいはい。そうですよ。僕の勝手な思い込みですよ。
気づいたのは宝船やる前だよ。あの子がかっわいい女の子と中睦まじく歩いてるの見たとき。
彼は友達なんて言ってたけどあれは絶対彼女だと思う。手繋いでたし。・・・それで気づいたよ」
猫君 「にゃにゃ?」
足立 「僕らは付き合ってないって。
彼にとって僕は単なる友人・・・よりもうちょい親しい間柄ぐらいにしか思われてないって。
でも僕も諦め悪いからいろいろ考えてね。
あの日宝船やるとき、 僕らは恋人同士だろーって言ってみたんだ」
猫君 「にゃい!」
足立 「わかってるよ。恋人同士じゃないことぐらい。ただ、彼がどう出てくれるか期待したんだよ。
もしかしたら「足立さんと俺が恋人同士?いや、そんなはずない。けど、こんなことしてるんだからじつは
彼のことが気になってるのかも・・・!」とかさ。
ドラマや小説とかではありえそうな展開じゃない?ね?」
猫君 「にゃー」
足立 「そうなんだよ。これはドラマや小説じゃない。だから彼はそんなリアクションしてくれなかった。」
猫君 「・・・」
足立 「ありえねーーーって絶叫されちゃったよ!あはははははははー・・・」
猫君 「・・・」
足立 「ありえないかぁ・・・」
猫君 「・・・にゃ」
足立 「僕だってありえないよ。今も未練たらたらであの子のこと考えてる自分がさ。
あーあ。いっそ何にも言わなきゃよかったよ。そしたら少なくともオトモダチでいられたわけじゃない」
猫君 「にゃ」
足立 「じつは今日もこれから彼と会って48手やる予定なんだけど、行きたくねー。
・・・行きたくないけど、今日会いに行かなかったらもう一生会いに行けない気がする。
一度挫けると僕って二度と立ち上がれないタイプだからさ。」
猫君 「ふにゃふにゃ」
足立 「まあ、いつまでもグジグジしてもしかたないよね。腹くくって行くとしますか。
えーと、さ。こんな愚痴に突き合わせて悪かったね」
猫君 「にゃ」
足立 「ありがとう。
・・・君が「人間」だったら僕惚れてたかもなー。
よくある話じゃない?失恋して慰めてもらってるうちに恋しちゃうとかさ」
猫君 「にゃにゃにゃにゃ!」
足立 「そんなに拒否らなくてもいいだろ!僕だってきみなんかお断りだよ!
・・・煮干しは明日買ってガソスタに持ってくから」
猫君 「・・・にゃ」
足立 「あんたも変わってるよね。こんなおせっかいしなくてもいいのにさ。
ヤケ起こして一度目みたいなことなんてしないよ。
あ、じつはそれを狙ってるとか?はは。
・・・二度としねーよ」
猫君 「・・・」
足立 「それじゃ、また」
次回仏壇返しにつづく
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