半裸の刺青主ですので下げときます。ブログに上げた小ネタのやつっす。
〜もしも主人公に刺青があったらパロ〜

刺青に萌えた時期がありまして・・・でも、これ刺青っていうか派手なペイントですね・・・。
この絵を見てくれた阿川さんが小説を書いてくださいました!!やった!!!
というわけで、頂き物小説↓
足立は戸惑った。
その戸惑いは、焦燥と混乱で形成されている。
薄暗い部屋の中、ぼんやりと浮かぶ白いカンバス。一面に極彩色の美的が舞っていた。それがただの絵画なら、多少の知識を持つ足立も審美的態度を崩さず 物知り顔で具象の解説なども出来たであろう。しかし、ただの絵ではなかった。 「……」 言葉は出ない。 急激に乾いていく口中を潤そうと意識的に唾液を分泌させるのだが、それもなかなかうまくはいかなかった。 素肌を晒したままの鳴上は背中越しに足立を伺い、青ざめる彼を目におさめた後、長い睫毛に憂いを載せてそっと視線を逸らせた。 足立を沈黙させた極彩色は、鳴上の背に踊っていたのだ。息を呑むほどの美しさをまとう少年に、見る者の活動を止める暴力的な美が備わっていた。足立の脳裏に過るは“四課”の二文字。それが更に彼の戸惑いを濃くさせていた。 「い、いっしょに、プール、行けないね……」 選んで選んで選びぬかれた言葉は、あまりに間が抜けていた。 鳴上はウンと小さく首肯き、海水浴も銭湯もNGだと付け足した。 再び背後の足立を見やり、うっとりとして彼は言った。 「でも、家の風呂なら何の問題もない」 そうだねと力なく答える足立に、鳴上は質問を投げた。 「いけませんか」 責めるような口ぶりではなかったが、その声音は硬く尖っている。 何も答えようとしない足立に、鳴上は更に質問を重ねた。 「俺じゃ、ダメですか。こんなの背負ってる人間とは、付き合えませんか」 「あ、の……」 足立の煮え切らない態度に、鳴上はフンと鼻を鳴らした。 「いいんですよ、最初からわかってたことだ。足立さんは警察官、俺は……」 鳴上の涼しかった目許も、とうとう歪みだす。強くすがめられた眸に、足立は先ほどとは違う焦りを感じた。それまで身動きが取れずにいた彼だったが、弾かれたように眼前の高校生を掻き抱く。足立の動きを封じた眼光鋭い鳳凰ごと。 「しょ、職業に貴賎は」 「最早賤民扱いですよ、字義通りのアンタッチャブルに認定されたのは足立さんのほうがよくご存知でしょうに。法律どころか条例レベルでも相当厳しく取り締まられるようになったんですが。存在自体が悪とでも言いたげなほどに」 「あっ、いや、うん、そうだね……イヤあのその、別にきみが暴対の適用対象と決まったわけでもないし、えと、その……」 「いいんですよ、無理して貰わなくても結構です。どうせこうなるって思ってたから」 自嘲と侮蔑の入り混じった微笑を貼り付け、鳴上は言い捨てた。 様々な言い訳を胸中に走らせていた足立も、高校生の哀切に言いようのない痛みを覚えた。本気で抱こうとした相手である。背に舞う鳥がなんだ。たかが絵じゃないか。技法が特殊なだけで、アートだと思えば何ということはない。そう自らに言い聞かせ、ひときわ強く抱きしめる。 「……いいんですか、本当に」 「ああ」 「バレたら、ただでは済まないんじゃないですか」 「そうかもね」 「職を賭す覚悟がお有りなんですか」 「まだそこまで明確な意志は……ただ」 「なんです」 「きみが悲しんでるとこ、見たくない」 「――」 「ごめんよ、ちょっとビックリしたから……うまく言えないけど、僕の態度を見て傷ついたんなら謝る」 「足立さん……」 「いいんだよ。きみも聞いたことあると思うけど、僕らだって一部で国営ヤクザなんて揶揄されてるしさ、はは」 「問題発言じゃないですか、それ」 「真面目に取られても困るんだけど。笑って流せよそこは」 「そうですね」 張り詰めた空気が少しずつ緩和されていく。 足立は抱いていた腕を緩め、背を向けていた鳴上を正面に向かせた。 「あのさ、こうしよう」 二人きりのときは、お互い背負っているものを取っ払って生身の一個人として付きあおう。 足立の提案に、鳴上は緩く微笑んだ。声なくウンと首肯き、すいと顎を上げる。それを見た足立も、言葉を発することなく鳴上の意向に沿う。冷たい頬に掌を添え、ゆっくり顔を近づけた。
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ありがとうございます!本当にありがとうございます!!自分の描いたものでこんな素晴らしい小説書いて
いただけるのは大変嬉しいことであります!
素敵小説を書いてくださった阿川さまのHPはこちら→

ついでに刺青ぺろぺろ足立さん!
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